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maitopartaさん × Sanrio

「かく、おもう、めぐる」 イラストが紡ぐ、大切な人を想う時間。#03



嬉しいとき、楽しいとき、悲しいとき。

その想いを、ある人は言葉で書き、ある人は絵で描き、

またある人は音で画く。

大切な人、あるいは自分自身に宛てて「かく」時間には、

いくつもの物語があります。

2023年秋、イラストレーター3名とサンリオがコラボレーションし、新しいグリーティングカードを作るプロジェクトが始まりました。

本連載ではそのプロジェクトを通じて、さまざまな人の「かく」時間をめぐります。


maitopartaさん &サンリオ のコラボレーションカード3点

第3回目は、形式にとらわれない柔らかい眼差しで、見た人の気持ちをハッピーにするポップでユーモアあふれる絵を「描く」イラストレーターのmaitoparta(マイトパルタ)さん。

カードを使うことや、コラボカードの制作プロセス、絵を描くこととその時間について、サンリオのカードプランナー(安友・立田・押川)と語らいました。

<プロフィール>

maitoparta
maitopartaとはフィンランド語で牛乳をゴクゴク飲んだときにできる牛乳ヒゲのこと。
牛乳ヒゲのように見た人が思わず笑顔になるような、ユーモアあふれるハッピーな作品を制作している。
アジアやヨーロッパでの個展やアパレルブランドとのコラボレーション、空間デザインなど幅広いジャンルで活躍中!
Instagram:@maito_parta


自由な世界を生きて、笑顔になる時間を贈ること。


——maitopartaさんはふだんグリーティングカードを使いますか?

maitoparta:ちょっとしたおやつをあげる時などに使います。
自分で買ってきた色画用紙を切り貼りして作ったカードに、絵やメッセージをかいて贈ることが多いです。
一言添えてあると嬉しいですよね。

 

安友:カードの役割の一つは、物の行き来に、言葉を添えることです。
言葉や絵で思いを伝えるやりとりをふだんから楽しんでいる方と一緒にカード作りができてよかったです!

——初回の打ち合わせでは、制作の参考のためにサンリオのグリーティングカードをお持ち帰りいただきました。使用した感想を教えてください。

maitoparta:祖母が誕生日だったので、サンリオさんにいただいたカードを贈りました。
祖母はこのカードから流れるメロディーをおやすみソングにしているそうです。

寝る前に、部屋の灯りを落としてカードのボタンを押すと、「HAPPY BIRTHDAY TO YOU」のメロディーに合わせてカードの赤い光が部屋中を柔らかく照らし、気持ちよく睡眠に入れると。
楽しげなモチーフを贈りたいと思いこのカードを選んだのですが、このように使ってもらえるとは予想外でした。

カードを贈る行為は、受け取る側も贈る側もどちらも嬉しいものだなと改めて思いましたね。
今回は祖母に「普通じゃないカードが届くよ」と事前に連絡をしたのもあり、毎日郵便受けをのぞいて心待ちにしてくれていたそうです。
届くまでの間、私も「喜んでくれるかな」と心を弾ませて時間を過ごしていました。

 

安友:カードを贈りたいと思う瞬間から、相手を思い浮かべてカードを探す時間、メッセージを書く時間、贈り届ける時間など、一連の流れで費やす時間がすべて貴重ですよね。

——コラボカードを作るにあたって、サンリオが準備した10枚のキーワードカードから「ぱわー」と「ぎゅっ」をテーマに選んでいただきました。

maitoparta:どれも面白いキーワードでした。
選べるならすべてを選びたいと思いつつ、ふだん描いているモチーフと特に繋がりを感じた「ぱわー」と「ぎゅっ」に決めました。

また具体的なワードより、抽象的なワードを選びましたね。
言葉の意味合いを自由に捉えられる広さを残した上で、色々な組み合わせを考え、絵にしたいなと思ったのです。

 

押川:maitopartaさんに用意した10個のキーワードには、感覚的なものをたくさん入れました。
例えば、「ハグ」や「抱きつく」ではなく「ぎゅっ」など。
ひらがなや音を楽しめるワードに言い換えました。

 

——テーマに「ぱわー」を選んだ後、どのような道筋を経て、カードの絵を完成させたのでしょうか。

 

maitoparta:キーワードの「ぱわー」から宇宙を連想し、表現しました。
「ぱわー」という言葉から「生きている!」「生きるぞ!」という、生き物から湧き上がる活力のようなものを感じました。
生き物の根源はなにかと考え、宇宙だ、と繋がったのです。

 
ベースが黒色のカードはなかなか見かけませんよね。
メッセージが書きにくいのでやめた方がいいかなという考えが一瞬頭をよぎりましたが、逆にふだんはできないことならばやってみたいなと。
サンリオさんが表現の土壌を整えてくれたからこそ、今回のカードづくりでは「どれだけ自由に表現できるか」を大事にしたいと考え、黒色ベースのカードにトライしました。

このカードを手に取ってくれた文具好きの方やデコレーションが好きな方が、かわいいシールや白いペンを使い、黒いカードをカスタマイズして遊んでくれるのを期待しています。


安友:
ラフ案が届いたときは、黒のカードという斬新さに衝撃を受けました。
筆記具は黒いインクのものが多いので、黒いカードを作るというアイデアは私たちにはほとんどありません。
前提や概念を飛び越えたものづくりに、心が動かされました。

押川:黒いベースでも色使いがポップなので暗い印象はまったくなく、言葉のとおり「ぱわー」をもらえるカードですよね!

maitoparta:カード全体から「ぱわー」が弾け出る様子を表現したいと思い、表紙面と裏面をまたいで地球の絵を描きました。
「みんなで地球から飛び出してきたぞー!」と。

その勢いや躍動感を十分に感じてもらうためには、表紙面に収まるサイズ感では足りず、裏面にまでキャンバスを広げて・・・。
これも二つ折りのカードではあまり見ないので、みなさんを困惑させたかもしれません。
 

立田:まさに表紙と裏表紙はそれぞれでデザインすることが多いので、中面だけでなく表紙面も広げて楽しめるアイデアはとても新鮮でした!

——もう一つのテーマ「ぎゅっ」の制作背景は?


maitoparta:「ぎゅっ」をテーマにするカードは、なにかとなにかをぴったりくっつけたいと思い、人と5匹のクマをぎゅぎゅっと集めた絵を表紙にしました。
中面はみんなで手をつなぎ輪になっています。

このカードは、温かい気持ちを伝えたいときや相手に安心してほしいときに使ってもらえたらいいなと思っています。
繋がっている様子がほっとする気持ちになるのではと。


人の周りに密着する役割にはクマを選びました。
人だと口元を描くのでニコニコした表情になりますが、全員が笑顔なのは少し違和感があります。
クマであれば表情には明らかな感情は出ませんが、好きな気持ちや愛情を姿を通して表せるなと思ったのです。

 

立田:クマは澄ました表情なのに、真ん中にいる人を好きな気持ちが伝わってきますね!


——文具女子博に合わせたテーマ「ティーパーティー」の制作背景を教えてください。

maitoparta:「ティーパーティー」では、色々な国のお茶を集結させ、お茶たちが主人公になり賑やかにパーティーを開く様子を描きました。
初めは人がお茶をしている様子なども描きましたが、お茶たちがパーティーを開いていたら、楽しいものになるのではと思いついたのです。


お茶や茶器の種類は色々と調べましたが、茶器は似たようなかたちが多かったので、想像しながら描いた架空の器もあります。
お花が入っているお茶や、家型の器や、人の顔型の器、ちょっと割れている器など色々描いた絵の中からカードにするものを選びました。

 
安友:タイトルも『Tea Party』ではなく『秘密のTeas’ party』とユニークですよね。
お茶もただ並んでいるだけではなく、茶柱が立っていたり、器のふたを帽子のように持ち上げていたり、ちょっとした面白さが詰まっています。


——このイラストはどのように制作したのでしょうか?

maitoparta:下絵などは特に描かず、まずは思いつくままにペンでスケッチブックに絵を描きます。
納得のいく絵が描けたら、それをスキャンしパソコンに取り込み色を入れます。
並べてみて違う絵が必要かなと思ったら描き足すこともありますね。

立田:想像していたより、元々の絵が小さくて驚きました!
カードのデザインを見てこのざくざくとした線や輪郭はどう描いたらこうなるのかずっと不思議に思っていたので、謎が解けたような納得感があります。

——これらのカードはどのような場面で、もしくはどのように使いたいですか?

押川:私は『ぎゅっくま』を、元気がなく励ましたい友人や、ありがとうや大好きを伝えたい人に贈りたいなと思います。
くまの密集感が距離感の近さを伝え、エネルギーを渡せるような気がしますね。

立田:どのカードも、今までカードを贈ったことがない友人にシェアする感覚でプレゼントしたいです。
伝えたい気持ちがあるからカードを使うだけではなく、「かわいいから見てみて!」と気軽なテンションで使えるのではと。

また文具やカスタマイズが好きな方は、自分だけのオリジナルのカードを作っていただくのも楽しそう。
香り付きのペンや光るペン、お気に入りのシールなどを使い、遊べる余白がありますよね。

——絵を描くにあたって大事にしていることを教えてください。

maitoparta:自由にのびのびとしていたいと思っています。
自分にとって絵を描くことやものを作ることはとても自由なことなので。
それと同時に、自分の作品に触れてくれる人たちには、喜んでもらいたい、面白いと感じてもらいたいと思っています。

maitopartaという名前は「牛乳ヒゲ」に由来しています。
牛乳を飲んで、ヒゲがつくと自分もちょっと楽しいし、それを見る周りの人たちも楽しい。
そこにいるみんなが楽しくなる。
そういうコンセプトで絵を描いてきました。

絵を描くことは、その「楽しさ」をみんなで共有することなのかなと。
絵を描いて、見てくれて、笑ってくれて。
こうした巡り合いが生まれるのが絵を描くことなんだなと、その面白さを実感しています。


安友:完成したものを見て、みんなの目が輝き、明るい表情になって。
それはカードが目指す役割に近しいように感じますし、そういった感情を作れることを大事にしたいと我々も思っています。

——maitopartaさんにとって絵を描く時間とはどんな時間でしょうか。

maitoparta:「夢のような時間」だなと思います。
絵を描くことで、世界がつながり広がることを感じています。
それは今回のように色々な方と一緒にものづくりをできることもそうです。
絵を通して世界が広がることが、自分にとってはとても楽しくて、それが叶っている今が夢のようだなと。

それと同時に、夢のような世界を描き続けられるよう、いつまでも自由な自分でいたいと思います。
絵を描くときは、頭のなかで想像したものをかたちにしていきます。
現実には存在しない世界も自由に思い描きながら、それを絵にして、見た方々にもくすっと楽しんでもらえたら嬉しいですね。

maitopartaさんと制作したこちらのコラボカードは、「文具女子博2023」にて先行販売いたします。

また、12月20日(水)10:00〜 サンリオグリーティングカードオンラインショップでも発売されます!

『うちゅうぱわー』

『ぎゅっくま』

『秘密のTeas’ party』

「文具女子博2023」イベント情報

開催日:2023年12月14日(木)〜2023年12月17日(日)

開催場所:パシフィコ横浜 展示ホールD
    (神奈川県横浜市西区みなとみらい 1-1-1)

※事前に入場チケットのご購入が必要です。
詳細は文具女子博公式サイトをご覧ください。

https://bungujoshi.com/event/bungujoshi2023/


Edit&Text:Yoko Masuda
Photo:Sonoko Senuma(amana)

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